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オーストラリアへ

「中国でバイク会社を作り、中国の自転車をバイクに変える」
という大きな夢を持って歩き始めた私でしたが、
その年の暮れにみごとバブル崩壊。

気がつけば、大きな夢を抱え闘志を燃やしながら、
就職先さえ見つからない一学生の自分がいました。

親の世話になる訳にはいかないので就職を探し続けましたが、
バイク会社どころかデザイナーになるという夢すら
手の届かない状態・・・。

そこで、
「もっと勉強しないとだめだ。
 工業デザインと言えばイタリアが本場。
 イタリアで勉強をし直して、それから中国へ行こう!」
と思い立ち、留学資金を溜めるため、高給バイトに勤しみました。

そこへ、仕事でオーストラリアに住んでいた姉が一時帰国。
姉に私の夢と計画を語る事に。

すると姉から予想もしなかった言葉が・・・。

「なんだ、じゃああんた、オーストラリア来なよ!」

「は~~~???」思いっきりパターンの中断。

「私はイタリアに行って、
 それから中国に行くって言ってるんだけど・・・。
 なんでオーストラリアなのよ。」

「だってあんたイタリア語も中国語もしゃべれないじゃん。
 オーストラリアだったら英語だからなんとかなるでしょ。
 どこ行くにしても英語覚えといて損はないし、
 それにオーストラリア来れば
 イタリア人も中国人もいっぱいいるよ。
 つかまえて言葉教えてもらえばいいじゃん。」

う~ん。めちゃくちゃな理屈だけど、一理あるような・・・。

そうか。今までオーストラリアって
コアラとカンガルーと自然のイメージしかなかったけど、
よく考えてみれば移民の国なんだよな。

何にしても、
ここで就職見つからずにうだうだしてるよりは
よっぽどいいか。

そうして、姉を頼ってオーストラリアに行くことになりました。


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